日比谷〈炙一徹〉で国産ブランド鰻・坂東太郎を試す〜にっぽん鰻旅【第24弾】

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▶ 目次
1.ブランド鰻〈坂東太郎〉とは?

2.炙(あぶり)一徹で坂東太郎

ブランド鰻〈坂東太郎〉とは?

仕事が一段落した2月20日㈭の夕方。国産ブランド鰻の坂東太郎を食べるために、日比谷に向かいました。

ところで、ブランド鰻のことを天然モノだと思っている方が案外いるんです。
天然鰻とは文字通り、川で釣り上げた鰻のこと。大量に供給できるはずがなく、今では99%以上が養殖モノのわけ。
養殖鰻は、稚魚であるシラスウナギを捕獲し施設で育てたもの。そして最初は美味しくなかった養殖鰻を、餌や育てる池の水質などにこだわり、天然鰻に負けない品質まで磨き上げた技術の結晶が、ブランド鰻なのです。
その代表が、大井川の〈共水うなぎ〉だったり、今回紹介する〈坂東太郎〉なんです。
坂東太郎を養殖しているのは、千葉県銚子市の 忠平株式会社。慶応三年(1867年)に創業し、150年にわたり川魚を中心とした卸業を営んでいる会社です。
そもそも「坂東太郎」とは利根川の愛称です。
日本一とも言われる利根川の天然鰻に限りなく近づけようと努力してできたのが、ブランド鰻〈坂東太郎〉。
*まぁ天然モノの鰻にも育った環境で品質のバラつきがあるため、必ずしも美味しいとは限りませんが…。
一般的な養殖鰻はイワシのような青身魚を餌にしています。でも忠平さんでは、白身魚に生アジのすり身をブレンドしたオリジナルの餌を与えているんだとか。そうすることで、癖のないすっきりとした脂の乗った旨味のある鰻に成長するんだそうです。
だから坂東太郎は、旨味
成分として知られるアスパラギン酸やグルタミン酸が天然鰻の2倍近く含まれています。
で、養殖会社の忠平の直営店が日比谷にあるんです。
ちゃんと予約して行ってきま〜す。

炙(あぶり)一徹で坂東太郎

坂東太郎を食べさせてくれる鰻屋さんと言えば、「魚政」あたりが有名。ただ場所が葛飾・四ツ木とちと遠め。
いつかは訪問する運命にあると思うのですが、今回はサクッと会社帰りに食べに行きました。
お店の名前は「炙一徹」。

JRの有楽町から新橋駅へ続くガードの日比谷側。線路沿いの通りの中にあります。

近くには皇居マラソンのランナーステーションとしても人気のアートスポーツなんかも並びにあります。日比谷シャンテやミッドタウン日比谷はすぐ裏手。

店構えはこんな感じ。昔からある老舗というよりは、かなり新しめのお店です。

暖簾をくぐるとカウンターが6席。2階にはテーブル席があるようです。
私の他に先客はいません。
(鰻は冬が旬だって、みんな知らないな…)
とか思いながら、カウンターの一番端に腰を落ち着けます。後からお客さんが押し寄せるんですけどね。
お店は結構年配の焼き係の職人さんと、フロアを仕切る年配の女性2名で切り盛りしていました。
前日夜に坂東太郎の予約はしておきました。まずはビールを注文。

恵比寿の瓶ビールで喉を洗浄。

鰻重は梅・竹・松の上に坂東太郎(6,000円)が君臨しています。
焼き方は関西風と関東風が選べるみたいで、私は関東風でお願いしてあります。つまりは蒸してから焼くという調理法。

坂東太郎が食べたい場合は、電話予約の段階でお願いしておかないと、当日は不可とのことでした。
鰻重が来るまで30分はかかりそうなので、サイドメニューをお願いします。
ひれ巻き串(500円)と肝串〈500円)とうまき(1,000円)をオーダー。
こちらも10分くらいはかかりそう。

訪日外国人向けの案内書きやメニューを熟読してしまいました。場所柄、たくさん来店されるんでしょう。

やがて、ひれ巻き串(下)と肝串(上)が到着。
よく見るとグロテスクなビジュアルです。

ひれ巻き串は少し生臭さが残ります。それを野性味で片付けていいものかどうか。

肝串ももう少しプリッとしていてもいいかなぁ。
まぁどちらもビールのお供にはグッドでした。
お次はうまき。

なんと言っても、卵焼きが分厚いのが特徴。

鰻もたっぷり入っていて、満足。
味もいくらか甘めで私好み。ただビールにはあまり合わないかな。
ぼちぼち坂東太郎の着丼の時間です。

鰻重には、肝吸いとお新香と果物のデザートがセットで付きます。
これで坂東太郎1尾だとか。

まずまず綺麗な鰻様です。

さっそく箸を入れます。
少し鰻が薄いかなぁ。

例えば、尾花や小田原・友栄あたりと比較するなら、鰻のプリッとした厚みが足らない気がします。
坂東太郎の特徴が〈肉が締まって弾力がある〉と書かれていたのも間違ってはいないんだけど…。
タレはちょっと甘めで、蒸し焼きにした関東風を選んで正解でした。
共水うなぎの時にも同じことを感じたのは、脂がギトギトせずサラッとしているため、最初の口当たりが濃厚なわりに後味があっさりしています。
ご飯に山椒をかけて、バクバクいってしまいました。
そして、こちらが肝吸い。

特筆するものはありません。肝も普通の大きさ。

お新香とデザートです。この季節でも柿があるんですねぇ。


総合満足度は100点満点で
87点としました。
鰻が薄い分、ほぐれが良くて、食べ進むと白身魚っぽく思えてきました。まぁ美味しいんですけどね。

鰻重の値段も6,000円とトップクラスなんだよなぁ。
このお店だけでブランド鰻〈坂東太郎〉の実力を測ることはできないでしょう。やはり四ツ木の「魚政」に行かねばならなくなりました。
ひとつ言えるのは、この千代田区エリア(東京〜日比谷)なら、はし本や伊勢定(東京大丸店)のほうが、鰻の味は上かと個人的に思います。
*にっぽん鰻旅【第19弾】〈鰻 はし本〉〜東京駅八重洲口のうなぎの名店
*にっぽん鰻旅【第4弾】〈伊勢定 大丸東京店〉~江戸鰻は蒸しが命~

こちらから予約できます
営業時間/11:30〜14:00、17:00〜21:00(ラストオーダー:20:00)
定休日/日曜・月曜(7月は日曜のみ定休)

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