祝・営業再開!「徳記」の伝説の豚足タンメン〜横浜中華街ならこれを食え#8
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昭和60年代にはすでに有名だった横浜中華街の裏通りの名店です。
その名は「徳記」。
昭和20年の終戦の年に製麺所として創業し、昭和37年(1962年)に広東料理店に鞍替えしたんだとか。
私が以前、暮らしていた1990年頃でも、こちらの豚足そばを求めて、路地にできた行列を眺めていました。
でも、若い頃の私は…
豚足が食べられなかったんです。
だから足を運んだことはなし。
祖父が酒の肴として食べていた豚足の印象が強くて、ちょっとグロテスクな食物でした。
ところどころ毛が残るまだ肌色の茹でた豚の足。……無理。
年老いた現在となっては、刺身でもホルモンでも許容範囲が広がった気がします。
ということで、その存在を知って30年を経た今、裏通りの名店に潜入してきます。
この徳記さん。2019年に代替わりしています。経営者が替わって、2019年4月に再オープンしたのだとか。
ネットで調べると「桂宮の総料理長を迎えて…」等と紹介されています。
場所は、関帝廟通りのこの看板が目印。
路地を30mほど入ったところに、ひっそりとした店構え。昔とあまり変わりません。
いかにも中国家庭料理の店という風体です。
来店は日曜の夕方19時頃。
1階は席が埋まっていたため、無人の2階に案内されました。
一時期は、横浜中華街で最も客扱いの悪い店として評判だったことを思い出し、2分くらい放置された時には、階段まで顔を出して、店員を呼びました。
ほどなく返事がして、若い男性の店員さんが注文を取りにきました。
そこまで塩対応ではありません。
あの伝説の鬼婆店主は引退したのかなあ?
まずは青島ビールを頼んで、メニューを拝見。
コースメニューもあるようですが、この店で頼むものは概ね決まっています。
オーダーはもちろん〈徳記豚足タンメン〉(950円)と、これも美味しいと評判の〈海老ハルマキ〉(700円)。
ちなみにパイナップル入りの酢豚もありました。こんな字を書くのね?
*酢豚にまつわる記事はこちら。絶対に白飯が進まない。極めて甘〜い横浜中華街「海南飯店」の酢豚〜横浜の微妙なグルメ#4
まずはビールで乾杯。
この街に越してきて、食事と一緒にビールを飲む機会が増えました。
元チェッカーズの藤井フミヤさんが出演されていたBSの旅番組で、
「ビールはちびちび飲むな。喉にぶつけるように飲め」
と若いタレントに教えていたシーンを見て、私も遅まきながら開眼したようです。
まずは海老ハルマキ。
こんなのが3本入っています。
海老のすり身が入っています。
絶品とも思いませんが、軽い食感でビールのアテにはいいかなぁ。
(でもこれで1本約250円は高いです)
いよいよ伝説の豚足そば(徳記豚足タンメン)の登場。
このメニューの特徴は、
豚足の煮込みと中華そばが別の皿で供されること。
聞くところによると、麺を豚足の器に入れて、濃厚なタレに漬けて食べる方法と、豚足を麺の丼に浸して食べる方法があるんだとか。
じっくり観察してから、どちらを選択するか決めましょう。
ネギのみじん切りだけが浮かんだ綺麗な中華そばです。
平打ちのストレート麺。
スープも薄味の鶏ガラでいい感じ。
そしてこちらが豚足の煮込み。八角の香りが鼻をくすぐります。
長い時間をかけて煮込まれているようで、箸を入れると簡単にほぐれます。
味を試すと八角の他に蜂蜜を加えたかなり甘めのタレ。独特の風味です。
醤油の風味がそれほど効いていません。ある意味パンチが足りないかも?
やはり豚足の皿に麺を漬けて、食べましょう。
やはりこれが正解です。
全体に塩気が足らず薄味のため、麺のスープに豚足を入れても印象が弱くなるだけかと判断しました。
でもこれが不思議。豚足側の甘目のタレが、麺スープの風味と混ざると絶妙にクセが中和されて、いい塩梅の優しい味に変化します。
これが徳記マジックかも?
ほどなく完食。骨もこれくらい残ります。
印象としては、面白い麺だなぁというところでしょうか。リピートするかも微妙です。
リニューアルして味が変わったという噂も聞きますし、豚も麺も含め、なんか全体が緩い気がします。
サンマー麺とか酸辣湯面のようなパンチの効いた麺類に、舌を痺れさせてしまった私には、このシンプルさが物足りなさでしかないのかも。
閉店前の豚足そばを味わったことのない私としては、これが伝説の味かどうかは定かではありません。
一生残る謎として封印します。
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