にっぽん鰻旅【第2弾】〈五台目野田岩 麻布本店〉~江戸時代から続く伝統の技~

日本の鰻の名店を訪ねる旅の2回目は、「五代目野田岩」麻布本店です。

言わずと知れた江戸前うなぎの名店。
江戸時代の寛政年間・徳川11代将軍 家斉の頃に、創業されたという話。
そんな時分から鰻屋があったんですねぇ。
都内では「東の尾花、西の野田岩」と評価する方も。
ともにミシュランガイド2018年版の1つ星に掲載されています。

ここを訪問するのは5回目でしょうか。2年ぶりです。
会社が目黒や田町にあったので、わりと近所。
今回も、元部下の女性陣2名を誘って来たのですが、東京タワーの真横にそびえる、江戸時代から続く合掌造りの建物という組合せには、驚いていました。

確かに違和感たっぷり。

この圧倒的な重厚感により、食べる前から満足度が高いと言えます。
訪問日は7月25日の水曜日。
土用の丑の5日後で、給料日が多い25日。
最悪の鰻日和に、約束をしてしまいました。

事前に予約の電話を入れたのですが、予約席はすでに満杯と断られ、とにかく行ってみるしかない状況。
前日に電話して訊いた時は、夜19時で20名並んでいるとのこと。
約1時間待ちは覚悟しなければ……。
女性陣とは、当日18:30に電話して、同じように並んでいたら、日を改めようと決めていました。
で、当日。
野田岩の女中さんの回答は、

「今、並んでいる方はいませんよ」
ほんまかいな? なら急げ。
私は半ば諦めモードだったのですが、同僚2人をせっついて、10分後には、タクシーに乗せていました。

19時到着。
会社が品川区にあるので、意外と近距離。
見ると、行列はありませんが、入口が開いていて、数名の客が立っている様子。
〈ここは歩いて100mの場所に、別館もあるし、行けるかなぁ?〉
店内を覗きます。
〈……騙された〉
店内の待機席に15名ほど、待っているお客さんが…。
仕方なくご案内待ちのノートに、名前を記入します。
8番目くらいでしょうか。
18時半に電話した際の答えは、「外で並んでいる方はいませんよ」ってことだったんでしょうね。
結局、30分近く待機し、19時半に、本館1階のテーブル席に案内されます。
まぁ、想像していた中では、最良の結果という感じ。

このお店も場所柄か、外国人のお客が増えました。
半分くらいはそう。
ミシュラン効果なのか、子連れも結構いて、白人もアジア系も多種彩々。
鰻の味って、外国で育った方に理解できるんですかねぇ?
パフォーマンス的に言えば、握っているところが見える寿司屋の方が楽しそう。
価格帯で見ても、すき焼きや天婦羅の方が満足度が高いと思うんですけど。

メニューです。

全員、鰻三昧コースにしました。
ここに来たら、鰻重や鰻丼だけでなく、やはり白焼きを食べさせてあげたいかなと。
6,900円のコースです。
お通しで鰻の煮こごりと、白焼、鰻重に、肝吸、箸休めの大根おろしと漬物。
デザートがないのと、肝焼きやう巻が付いてないのが不満と言えば不満。
鰻重のご飯は多めでお願いしました。
またサイドオーダーで、う巻をお願いしましたが、今日はできないとのこと。

「きくかわ御殿場店」もそうでしたが、忙しい時は面倒なことはやらないんでしょうか?
なら、メニューから消しておけばいいのにと思います。そのほうが好印象では?

最初に出てきたのは、「煮こごり」

10分と待たずに運ばれました。
前菜ですから、特に感動なし。
ちゃんと鰻の味もしますが、いつもの味。

キリンの瓶ビールでいただきます。

5分後に、「白焼」登場。

これが食べたくて、コースにしています。
わさびか、塩で食べるので、ドリンクをワインに替えます。

小さくね?

10年前くらいに来店した時は、この倍くらいの大きさだった気がするのですが、誤った記憶なのでしょうか?
淡白なので、やはり白ワインが合うと思います。
このサイズかどうかは分かりませんが、単品で頼むと3,500円。
4分割して食べたとしたら、1切れ800円は下りません。
その価値があるかどうかは、言うまい言うまい。

10分と待たずに、鰻重が登場です。

同時に、肝吸と大根おろし、漬物も運ばれます。

野田岩は、着席後、30分と待たされることがないので安心です。
お酒が弱い私は、鰻重の前にベロンベロンに酔ってしまうのは避けたいところ。

漆の立派な重箱です。蓋の裏を見ると、

やや「乃田岩」の文字。「野」ではなく「乃」だった時代があるんでしょうか?
〈野田岩の謎〉です。
さて、鰻重のお披露目。

コースなので、特上の鰻重(桂)のように、器いっぱいに鰻が載っていることはありません。
竹クラスの「萩」と思われます。
さすがに、焼き加減はお上手って感じがします。
タレもやや少なめで、上品なイメージ。
テカテカに脂が乗っている印象も、昔からありません。


口に入れると、見た目通りに、柔らかく上品な鰻です。
タレも甘すぎずという感じ。女性ウケもいいです。

ただ、鰻の厚み、ふっくらさを感じません。

その上品さと裏腹に、野性味に欠けるというか、物足りない印象も否めません。
鰻の不作続きで、良質な鰻が手に入らないことが理由かもしれないし、そもそもこの時期は鰻の旬でないことも分かっています。
*鰻が脂が乗るのは秋と冬。
力強さに欠ける鰻を、伝統の技術でなんとかカバーしている……

〈衰えていく文明の悲壮〉のようなものを、感じずにはいられません。

攻撃力のないサッカーチームが、高度なディフェンスの戦術で、ぎりぎり失点を防いでいるような…。
がんばれ、野田岩。
総評は、5点満点で、

★4.0としておきます。

正直、関東風の調理法なら、もっとフワフワの鰻が食べたい。そう思いました。
3名でドリンクを入れて、お会計は26,480円。
サービス料(ここでは奉仕料と書かれています)が10%かかります。

今度は、鰻重だけにしてみます。
アホみたいに行列してるわけじゃないし、サービスもちゃんとしてるので良い店です。

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