明治43年創業の割烹蒲焼「横濱 八十八」〜にっぽん鰻旅【第27弾】

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*当店舗は2023年6月現在、閉店されていることが確認されています。
自宅の近所で鰻屋を探しておりました。洋食や中華に強いこのエリアは、鰻好きの私でもそれほどレパートリーがありません。
関内の「わかな」さんと元町の「濱新」さんくらいでしょうか。
江戸前鰻が盛んな東京都心に較べれば〈鰻不毛の地〉なのかも?
まぁそれ以外に旨いものがたくさんあるということでしょうが。


元町商店街に一軒、見知らぬ鰻屋さんを見つけました。

横濱 八十八 石川町店
〈やそはち〉と読むそうです。

創業は明治43年(1910年)。現在の伊勢佐木町裏に蒲焼店として開業したのだとか。
横浜で最も古い鰻屋という噂もありましたが、関内駅前の「わかな」は明治5年と謳っているので、そちらが最古参でしょう。
店名の由来はこちら。

石川町駅から徒歩1分のこの場所にお店を出したのは2013年で比較的最近。
関内の吉田町にもお店があり、そちらが主力っぽいです。吉田町店は2001年頃に一度閉店し、同じく2013年に銀行の跡地に再オープンしたのだとか。銀行跡らしく、店内に金庫室を再利用した個室があると話題になりました。
石川町はスペースがちょっと狭めで、メニューにひつまぶしがあるのが特徴。
*現在、ひつまぶしはメニューを絞っているので出していません。
来店は火曜日の午後3時半頃。客はまたしても私だけでした。入口でアルコール洗浄し、検温して入店です。

転居して1カ月。通りがかるたびに中の様子を伺っておりました。
お弁当のテイクアウトオンリーで店内で食べられる状況ではないようだったので、パスしておりました。

2階もあって席数は公称26席。
1階のテーブル席に案内され、メニューを拝見。

うな重はなく丼のみ。老舗らしく、まぁまぁいい値段です。
並とか上とかの呼び名をしておらず、蒲焼2枚を〈ぼんころ〉、蒲焼3枚は〈さんぞろ〉と呼んでいます。
*なんか博奕用語のような印象を持ちましたが、ネットで調べても他の意味は見つけられませんでした。
4枚だと〈丑の日鰻〉。ご馳走という意味でしょうか。
ローストビーフを一品料理で出しているお店は珍しいです。
私のオーダーは、
うな丼の〈さんぞろ〉(4,400円)と瓶ビール。
肝焼きは品切れとのこと。う巻きは2,100円もするので食指が伸びませんでした。

まずは瓶ビールで乾杯。

この日は仕事が休みで、朝から三浦半島・津久井浜でウィンドサーフィンを楽しんできました。ビールがひと際カラダに沁みます。
鰻を蒸す時間が30分ほどかかるとのことで、客が私しかいないこともあり、女性店長の福田さんとしばしの世間話。
横浜界隈の鰻屋事情や、今年の仕入状況をお聞きしました。(鰻が焼き上がった後には、焼いてくれた若い職人さんもご紹介いただきました)
そしてうな丼の到着。

肝吸いの横に、なぜかレモンがひとかけ。

福田店長のご説明によれば、「鰻は完全食に近い食べ物なのだが、唯一足りない栄養素がビタミンC」なんだそう。
「それを補うためにレモンを食べていただきたい」んだとか。繊細な気配りです。

筏3枚です。今日の鰻は鹿児島産。

タレが少なめな印象。
私が名古屋生まれだと話したところ、頼めば、関西風の地焼きもやってくれると店長から聞きました。

柔らかく、ふわっとした鰻です。
タレが変に甘くなく、醤油の風味が強め。
やや辛口で、江戸前の上品な鰻と言う印象です。
白米の炊き加減も丁度よく、岩手産の「ひとめぼれ」を使っているそうです。

山椒もなかなか。ご飯にかけて食べていたら、なぜか夏を感じました。

お新香も量がちょっと多め。こういうのが美味しいのは、老舗の証拠。

吸物です。トロッとしているのは雌株でしょうか?
それが気になって、うな肝が入っていたか確認できませんでした。
約3カ月ぶりの鰻でした。やっぱり幸せな気分にさせてくれます。
総合満足度は100点満点で
88点としておきます。
丼にしては少し価格が高いのと、一品料理が残念ながら揃っていませんでした。
ただご近所なので、このクオリティならまた寄らせていただきます。ご馳走さまでした。
営業時間/11:30〜18:00

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