にっぽん鰻旅【第5弾】名古屋〈大和田〉~取材拒否の鰻・櫃まぶしの名店~

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名古屋の鰻といえば、櫃まぶし。

9月の最後の金曜日は名古屋への出張でした。一泊して、翌朝は熱田神宮に寄り、鰻をいただく予定。
「あつた蓬莱軒」が有名です。でもそれはあまりに観光客向けなイメージ。


地元の方々にリサーチすると、「大和田」というお店が美味しいと評判。
(私も一応、名古屋生まれなんですけど、あまりに無知で…)
ただ取材拒否のお店として、テレビなんかに出ることはないそう。
まぁ、ネット全盛の世の中なので、ぐるなびや食べログには紹介されていて、あまり関係ないような気もしますよね。

櫃まぶしって、私が高校生の昭和50年代あたりまでは、名古屋でも有名なメニューじゃなかった気がします。(それは手羽先もあんかけスパも同じです)
個人的には、元々は鰻屋の賄いで、余った部位や品質の落ちる鰻を処理するためのアイデア料理だろうと想像します。
牛丼やホルモン焼きと同じ考え方。ホントに良質な鰻なら、蒲焼や白焼で食べたほうが旨いに決まっています。
そこで調べたところ、昔のサライに紹介されていました。
「櫃まぶし」の生みの親は名古屋の鰻屋「以ば昇」さん。
戦後、手に入る鰻の質のばらつきがひどく、皮が硬いものが多かったため、先々代が苦肉の策で刻んで出したのが最初という話。
それが結構よろこばれ、グルメブームに乗って、他店も真似しだしたんだそうです。睨んだとおり、職人さんが工夫したメニューです。
ここ以ば昇では、鰻を腹開き(関西風)にして、頭と尾だけを落とした鰻を長いまま焼き、4~5分割に切ってから、さらに1~2cm幅で櫃まぶし用に刻んだとか。櫃まぶしのウンチクでした。

鰻の名店「大和田」詣での話に戻ります。

開店は11時ということで、それに合わせて行ってみることに。
翌日から台風24号の本州上陸が囁かれる状況。この日も朝から小雨。並ぶのは嫌なので、早めに出かけます。
スタートは熱田神宮。早起きして参拝。
西門の地下鉄側の出口です。


伏見通りを地下鉄「神宮西」駅の方に向かいます。

駅を越えて、さらに200mほど歩きます。

右側にお寺があって、その先を右折するとすぐのはず。

見つかりました。現在10:50。誰も並んでいません。少しだけ雨が落ちてきていて、軒を借りて、店前で待ちました。
ぼちぼち人が集まってきて、11時ぴったりに女中さんが扉を開けてくれた際は10人はいたでしょうか。
文字通り、一番乗りです。


店内。
ネットのグルメサイトでは、キャパは100席。そこまでの席数はないような。
中庭が見える座敷席に案内されました。ビールのケースが剥き出しになっていたり、割に殺風景な雰囲気です。
五代目野田岩のような感動はなし。


鯉がいます。もっと手の込んだ庭園を期待していたものの、コンパクトな庭です。
メニューはこちら。

鰻重も櫃まぶしも、東京の鰻屋と比較したら、3割くらい安いです。
特上で3,800円なら、かなり良心的。


やはり名古屋では、蒲焼と言わないで「長焼き」という呼ぶようです。これも一匹まるごとを、いかだ状に刺して焼く手法から来ているのでしょう。
う巻を見つけるも、2,500円だったので断念。
櫃まぶし(特)と、きも焼きを1本をお願いしました。
ごはんは大盛りにせず、普通の量でお願いしました。
ビールはやめ、ウーロン茶もオーダー。
10分ほどして、まずはきも焼きから運ばれてきました。


串に刺さっていません。でも東京で出てくる肝焼きよりも、明らかにぷっくりしています。
やはり九州産(鹿児島あたり?)なのでしょうか?
タコの醤油煮かと思いました。
たれは少なめながら、やや甘目の味がしっかりついていました。
そして、1分後に櫃まぶしも登場。
10分少々で出てくるとは、お客様ファーストが徹底されています。

お吸い物と香の物(奈良漬)が付きます。
お櫃がデカい。そして、蓋をあけて、ドン!!


鰻が二段に重なっています。さすが特上。

これは見るからに食べ応えがありそう。茶わん3杯に分けるには、鰻の量が多め。
まずはそのまま、茶わんにとります。


鰻はタレが少なくあっさりめ。醤油が効き過ぎの塩っぱさもありません。ちょっと甘いかなぁというくらい。
でも上品で旨いです。正直、櫃まぶしの鰻と、鰻重の蒲焼は別物だと考えていましたが、予想外の鰻の美味しさです。

直焼きの割には、皮目がパリパリではなく、もっちりした食感。
いいじゃないですかぁ。
2杯目は薬味(ねぎとわさび)を載せていただきます。



これはこれで美味しいです。ただしタレが効いていないので、ネギやわさびとのコンビネーションはあまり感じません。

お吸い物には、肝は入っていません。グルメサイトの口コミを読んでいたら、このお吸い物を鰻の茶碗にかけちゃう方もいるみたい。

これって奈良漬ですよね? かなり甘いです。上品で美味しいですけど、必要なのかなぁ。
最後はお茶漬けにして食べます。実際には、まだたくさん残っていて、お茶漬けの前にもう1杯、普通に食べました。
だし汁をかけるお店もありますが、大和田さんでは、ほうじ茶。



いやはや、豪華なお茶漬けだこと。
30分とかからず完食。
肝焼き(600円)とウーロン茶(250円)を入れて、4,650円。なかなかのコストパフォーマンスです。


まぁ、鰻重と櫃まぶし、どっちがいいという問題は残りますが、これはこれでご馳走です。
櫃まぶしなので、鰻重と同列には評価できませんが…
満足度は100点満点中、93点。
このボリュームで3,800円とは、東京では考えられない値段。同じ価格の鰻重への期待も高まります。
ホントに旨い鰻なら、鰻重で食べた方がいいかなぁ。
今度は鰻重を試してみます。


営業時間: 11:00~13:45(ラストオーダー) 16:30~19:45(ラストオーダー)
定休日: 日曜・第3月曜、土用の丑の日

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