マカオの観光写真館〜カジノだけじゃない澳門の風景に想いを馳せる〜

ちょっとマニアックにラザロ地区へ

あまり代表的な観光名所ばかりだとつまんないので、お上りさんがいない美しいスポットを取り上げます。
ポルトガル統治下時代の面影が残る「ラザロ地区」というエリアです。場所的にはこのあたり。

観光の中心地・南湾大馬路(グランドリスボアがあるあたり)から水坑尾街を歩いていけば、15分程度で行けると思います。めちゃくちゃ迷いそうですけど、聖ポール天主堂跡からも、意外と近いです。
ということで、この周辺で私が最も好きな場所はここ。
「聖ミカエル墓地」

ミントグリーンが鮮やかな教会が目印。教会の建設は1875年だそうです。
墓地も結構広くて、人が多いマカオ市街地としては驚くほど静かな場所。なぜかちょっと涼しくて空気が凛としているのが不思議


無粋な私がこんな聖なる場所になぜ足を運んだかという理由を説明します。
私がカジノ(マカオ)のバイブルとして何度も読み返した沢木耕太郎さんの名著「波の音が消えるまで」の重要な舞台のひとつがここだと思われるからです。
あくなきバカラの求道者・劉さんが休憩に頻繁に訪れ、それを追ってきた主人公の伊津航平と初めて言葉を交わす場所。

【CEMITERIO DE S.MIGUEL ARCANJO】と書かれています。
小説の中では(西洋墳墓〉と読み替えられていますが【聖味基墳場】というのが正しいようです。
劉さんが煙草をふかしていた礼拝堂の扉の横側にある石のベンチも確かにありました。

礼拝堂に座っていると、福建省出身のヒロイン・李蘭が祈っているんじゃないかと探してしまいます。
はるか彼方にグランドリスボアが見えるのが、マカオらしいところです。
もうひとつ有名な教会があります。それが「聖ラザロ教会」

マカオで最も古い教会だそうです。1568年に病院に付属する礼拝堂として造られた教会で、バロック様式のフォルムが特徴。
「瘋堂斜巷(フントンジェホン)」というのは、通りの名前なのでしょうか?

なんとも独特な色合いの建物が目を惹くラザロ地区のメインストリートです。

映画のロケでもよく使われているんだとか。

まぁ、このあたりは坂道もどこかお洒落なわけで。

「旧仁慈堂婆仔屋」も気になった建物。

入口はやっぱり坂で、提灯なのか紙風船なのかカラフルな装飾に誘われて入りました。

漢字にすると《婆仔屋》などと悍ましい名称ですが、英訳すると【Old Lady’s House】。
約200年前のポルトガル風の建物を改装したギャラリーです。

第二次世界大戦中は貧しい人々が暮らした場所で、年老いた女性たちの救護施設だったから、そういう名前なんだとか。
中庭にある二本のクスノキの古木がその歴史を物語っています。

「和隆街」は瘋堂斜巷と交差する石畳の通りで、緩やかな石畳の坂道が目印。夜になるとオレンジ色の街灯が灯り、灯りがつき、ロマンチックなんだとか。

次は半島を渡ってタイパ地区をご案内。

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