進化形香港式フレンチトーストに大行列![馬慶康南天珈琲室]〜マカオの微妙なグルメ㊲〜

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▶ 目次
1.マカオにフレンチトーストブーム到来?

2.〈華田芝士西多脆脆〉ってなんだ?

マカオに空前のフレンチトーストブーム到来?

香港のファミレスといえる茶餐廳(チャーチャーンテーン)で朝食のメニューで思い浮かぶのは、味の薄いマカロニスープとフレンチトースト。
香港・マカオのフレンチトーストは西多士(広東語でサイトーシーと読みます)とメニューに出ていて、日本で食べる欧米式のものとは少し違っています。
私たちが思い浮かべるそれは、卵や砂糖、牛乳を混ぜた液に食パンを浸し、フライパンで焼いたもの。メイプルシロップをかけて食べるのが定番。
それとは別に香港式のフレンチトーストは、ピーナッツバターや小豆を挟んだ食パンに卵を漬けて、油で揚げたのが主流です。
そのため外側のカリカリな食感が特徴。
パンが油を吸って胸焼けしそうな印象があるものの、中身はふんわりしているので想像以上に食べられるんです。

マカオでも、米国資本のカジノホテルのカフェはともかく、街角の食堂(珈琲室)なら概ねこんな西多士が出てきます。
そして今回、紹介したいのが、この香港式にアレンジを加えた進化形のフレンチトースト。
それを提供しているのが
「馬慶康南天珈琲室」。

高士徳という庶民的な街並にひっそりと佇む小さなお店が、あり得ない行列を起こしているというお話です。



〈華田芝士西多脆脆〉ってなんだ?

「馬慶康南天珈琲室」はセナド広場などがあるマカオ市街の中心地のやや北側。高士徳というダウンタウンにあります。

新馬路やポンテ16(十六浦)前のバス停から6Aのバスに乗り、「高士徳/買伯楽」という名前の停留所で降りれば、歩いて5分といった感じ。
*路線バスの運行路線図はこちら
1番や3番といった運行頻度の多い路線を使う場合は、「提督/紅街市」で下車してください。そこからは徒歩で10分弱。

ローカル色漂う庶民的な街並みの中に、その茶餐廳(チャーチャーンテーン)はあります。

訪問したのは1月12日。日曜日の午前10時頃。朝7時からの営業で、客の出足も多少落ち着いていることを期待しての来店でした。
店内は満席ながら私の前には5人しか並んでおらず、運よく2分と待たずに席を確保できました。

壁を見回すと、いろいろ表彰されているようです。

メディアでもしばしば紹介されている様子。

そう、これが人々を惑わす〈華田芝士西多脆脆〉。
普通の香港式のフレンチトーストとの違いは、揚げた食パンの中にチーズが入っていること。
さらに表面にはこっちでは「阿華田」と呼ばれるオバルチンの粉が大量に乗っています。オバルチンとは日本で言えばミロのような麦芽飲料のことだそうです。その上はチーズでなくバター。
メニュー内では「西多脆脆」と掲載されていました。

ご飯ものやおかず系のメニューは裏面。

壁のアワードを見ていたら、「又焼煎蛋飯」や「香煎肉餅飯」も評判がよさげです。
私がメニューを見ているうちに、どんどん客が入ってきて、こんな状態に。

なぜ店内に並ばせているのかも意味不明なのですが、とにかく中のレジに向かって、20人以上の客が行列しています。
これはあかんやろ?
全く落ち着かない中、店主らしい親父さんを掴まえ注文。
私のオーダーは勿論、西多脆脆(35HK$)と菠蘿油〈パイナップルパン〉(14HK$)と瓶入りミルクティー(20HK$)。

混雑と英語が通じない中で正しく伝わっているか不安でしたが、レシートを確認すると大丈夫そう。
すぐにパイナップルパンとミルクティーが運ばれてきました。


「菠蘿包」でなくバターを挟んだ「菠蘿油」にすると、パイナップルパンのグレードが上がります。

そしてフレンチトーストの登場。

トーストの熱でバターとチーズが溶けて、見栄えは最悪。

ナイフを入れるとこんな様子。中は確かにチーズの香りがします。
上に振りかけられたオバルチンはカリカリの状態の粒々で、食べたことのない不思議な味。
おこげとまでは言いませんが、甘いわけでもない。
いろんなモノが混ざって完全に混沌(カオス)。
前回の訪問でいただいた「新鴻發美食」のフレンチトーストは、シロップの力でなんぼでも誤魔化せました。
この画像がそれ。

厚切りで有名な「新鴻發美食」のは、そのまま食べると油揚げのような風味。ピーナッツバターとメイプルの甘みでそれを押さえつけている感じ。
*前回訪問した「新鴻發美食」の記事はこちら。「新鴻發美食」の法蘭西多士(フレンチトースト)〜マカオの微妙なグルメ㉟〜
馬慶康の「西多脆脆」は特に味がしません。
阿華田(オバルチン)の風味がココアっぽい香りを放つわけでもなく、チーズやバターの乳製品の濃厚なテイストも感じません。
客の8割はフレンチトーストを頼んでいることからも、若者を惹きつける理由があるんでしょうね。私には見つけられませんでした。
これだけ食べて69HK$(約1,000円)なのが人気の秘密かも?

ハイカロリーの困惑の中、とにかく完食。リピートは微妙です。

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