
カマカ・ウクレレのペグを交換してみました〜【ウクレレ修理作業レポート(ちょこっとインチキな詳細手順付)】
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愛用しているKAMAKA(カマカ)のパイナップルウクレレ。
ソプラノサイズで型番はHP-1、2007年5月の製造。今年で14歳になります。
在宅勤務が増えたここ半年は、毎日30分近く手にしているお気に入りの1台だったのですが…。
ペグを壊してしまいました!
弦が古くなってきたのか、チューニングが狂いがちなのが気になって、新品の弦を買ってきたばかりなのに、このザマです。
張ったばかりの弦はどんどん緩んでしまうため、固定するためにネジを締め付け過ぎたのが原因です。
つまみの部分が割れてしまいました。
昨年の夏前にも、コアロハのウクレレで同様の事故を起こしているのに、まったく反省と学習がない。
何事も過度な締め付けにはご用心です。
まぁ他にも7台あるので代用機には事欠かないのですが、やはり早くリカバリーしたいもの。
*ちなみに、これが我が家のウクレレの代表的なラインナップ。各機のインプレッションはこちらのページをご覧ください。
私はDIYを基本に物事を考えます。
まず自分でできるか調べてみて、ダメなら業者に依頼するスタイル。
ともすればピックアップマイクの取付にも挑戦したことがありますので、ペグ交換は造作もありません。
ただチューニングの正確さを考慮するなら、
ギアペグがいいかなぁ
と企んでおりました。こんなの。
*〈ギアペグ〉というのは、ツマミが外側に張り出したペグで、ギアが付いているんで緩みにくいんです(外側でないのもあります。ざっくりですみません)。最近は普及品のウクレレでも見かけるようになりました。
早速、メルカリやらヤフオクを検索しまくって、交換するペグの候補を抽出。
ウクレレのペグといえば、舶来のGROVER(グローバー)か日本製のGOTOH(ゴトー)。
あとFamous(フェイマス)からも発売されています。
このあたりを購入すれば間違いないでしょう。
※純正の部品を入手することは考えていませんでした。車イジリに没頭した時期もあって、カスタマイズが大好きなんです。
海外製と日本製だと、ウクレレのヘッドに開けられたペグ穴の直径が違うと記憶していました。
なので、まずはKAMAKAのペグを取り外して実測。
表側で9mmと少しでした。※この少しが後で影響してきます。
通販サイトには詳細なサイズが記載された図面が掲載されています。
KAMAKAには、ウクレレ側に求めるペグ穴(ブッシュ)の径が小さいGOTOHより、GROVERの方がベターかと判断しました。
穴を工具で広げる加工は必要ないはずです。できればウクレレ本体には傷をつけたくないもの。
*ちなみにGOTOH製のペグを装着している国産のLUNAのペグ穴の径は8.5mm前後でした。LUNAのウクレレにGROVERのギアペグをつけるためには、ドリルでヘッドの加工をしなければならないということです。(下の画像は、パーツが入らないことを後で確認したもの)
2日後にヤフオクで即購入した商品が到着。
送料込みで3,000円でした。楽器屋を走り回るよりは手軽で割安です。
この価格帯の商品は、ツマミのプラスチックがちょっと安っぽくて残念。
もう5千円積めば、マーブルで高級感のあるペグも見つかるんだけどなぁ。我慢です。
当初はブログで作業状況を公開するつもりがなかったので、段階ごとに撮影していくのに意外と手間取ります。
でも、こういう情報共有って絶対有益だと思うんですよ。
私も先駆者の方のブログ等を参考にさせていただいて、視野とスキルが広がったものです。
ということで、作業開始。
①まずは部品の検品。ギアペグは細かいワッシャー等がなく、パーツ数が少ないので簡単です。
(画像ではネジが1本足りないですがご心配なく)
弦を通す穴の大きさを確認。
こればっかりは自分でなんとかできる問題ではないのですが、この穴が狭いとCやEの太めの弦を二重に巻くことができず、弦張りの際に手間取ることになるので気になるポイントです。
②次にKAMAKAについている純正のペグを外します。
表側のボルトを外すために10mm系の工具が必要となります。
弦を外す際に、太さが似ているGとEの弦の見分けがつかなくなる場合がありますので、セロテープでも使って目印をつけておきましょう。
割れていないペグ2個はちゃんと保存しておきます。メルカリで売れるかも?
ワッシャーの取付順が絶対に判らなくなるので、正しい順番で戻しておくことも重要。
③ヘッドの裏面に、ペグのギア側を仮づけして、ネジの位置に無理がないか確認。(ほぼ大丈夫なことは、購入前に当然確認済みです)
後は取り付ける角度を、ヘッドの木の側面に平行(やや扇型)にするか、垂直につけるかを検討。
今回は前者で、側面に合わせることにしました。
さらにもっと大事なのが、ネジの長さがヘッドの厚みを超えていないか?
これがアウトだとネジを別に探してこなければならなくなります。
ちょっと不安でしたが、なんとかなりそうです。
④GROVERのペグに付属している表側のカバーが、ヘッドの穴とマッチするか確認です。
ただここで問題が…。
入るには入るのですが、ちょっと緩い!!!
最初は造作なく入ることに安心していたのですが、ギアパーツを裏から差し込んだ際に、このカバーが固定されず容易に外れてしまうことに気づきました。
純正品であれば、サイズが穴のサイズにぴったりなので、木穴内部の摩擦で止まるはずなんです。
そういう意味では狭いものにドリルを入れて、微調整しながら差し込んだほうが安定します。
ただここで諦める私ではありません。
このパーツはペグの機能には何も影響しないことが、動かしてみて分かりました。
ということは貼り付いていれば特に問題ないはず。
瞬間接着剤の力を借りましょう。
正当な方法なら、これは邪道かもしれませんが、もう引き返せません。
これでいきます。
乾くのを待って次に進みます。
※後日談:意外と強力に、問題なく接着されていました。
⑤ペグを実際に装着して、ネジの穴を千枚通しと小型ドリルで慎重に空けていきます。
工具はこれを使いました。
千枚通しで穴に見当をつけて、
ドリル付きのドライバーでネジ穴を切っていきます。
ここらは、電動工具など精密な工具をお持ちの方なら、なんぼでも慎重に進められると思いますので、ご自分の性格に合わせて実施してください。
(注)大事な楽器に穴を開けることになりますので、くれぐれも自己責任で丁寧な作業を心がけてください。
私の場合はすでに腹をくくっていますので、一気に進行していきます。
小型の+ドライバーを使って、ネジを奥まで挿入。
とにかく慎重に垂直に力を入れていきましょう。ネジ山が潰れやすく、部品が脆いのでご注意を。
*過去の経験上、1回だけ失敗したことがあって、8本中の1本のネジが内部で折れたことがありました。
⑥そしてペグの装着が完了。
接着剤のカスを後で掃除しなければ。
裏面です。
ガンガン回して、ギアのはまりをチェック。ギアの中心にある黒いネジを+ドライバーで締め直ししておきます。
⑦外した弦を戻していきます。
⑧いつもの弦交換の手順でOK。
弦を全体のセンターで摘まんで引っ張り、チューニングしながら伸ばしていきます。こうすることで音程の安定が早まると聞きました。
以上がペグ交換の手順です。
概ね2時間の作業でした。見た目はいい感じにに終了しました。
ネジさえ回し過ぎなければ、必要のないリペアだったと後悔しています。
最近、楽器屋で新品のウクレレを観賞していないのでイメージしないのですが、KAMAKAには外側に蟹の足みたく張り出したペグは似合わないような気が…。
チューニングのためなら仕方ないと諦めます。
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