パンが人気の茶餐廳・尖沙咀の「佳記餐廰」~《香港の微妙なグルメ⑦》

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香港の茶餐廳事情

香港・マカオも3日目ともなると、もう中華料理にはうんざりってことありません?
そんな時は「茶餐廳(チャーチャンテーン)」がお薦めです。
香港に山ほどある、いわゆるファミレスって感じの食堂。
マカオでは「冰室」と書かれたお店が多い気がします。【ビンサッ】と読むんだそうです。
パンを売っていたり、ご飯や麺を合わせたセットメニューを提供する食堂って感じです。
喫茶店でもなくお洒落なカフェでもない、やはり食事を楽しむ場所です。
お店によって名物メニューも違って、ポークチョップライス(焗豬扒飯)やフレンチトースト(西多士)が得意だったり、サンドイッチ(三文治)を売りにしていたり。必ずあるのはインスタントラーメン(公仔麺)を使ったメニュー。単に出前一丁なんですけど、香港のファストフードと出前一丁は切り離せない関係なんです。
それと、味の薄いマカロニスープを香港人たちはよく食べています。
香港の茶餐廳では、蘭芳園(中環)、翠華餐廳(中環など)、金華冰廳(旺角)、澳洲牛奶公司(佐敦)などが有名。
あれ! 列挙したくせに私は上記のどれにも入ったことがありません。混んでいたり見つけにくかったりしたのでしょう。
で、私のお気に入りは「佳記餐廰」というお店。
尖沙咀(チムサーチョイ)にあり、重慶マンションへ両替に行ったり、マッサージの行きつけが近くにあるからなのかもしれません。

佳記餐廰はベーカリーが売り?

アクセスからご紹介します。尖沙咀のネイザンロード。左手に九龍公園を見ながら旺角方面へ歩いています。

金巴利道というストリートが現れますので、右折。

200mくらい歩けば、左手にレインボーの電飾看板が見えてきます。

こんな感じ。店外でテイクアウト用のパンを買っている客が、必ず数人います。

中を覗くといつも満員に見えますが奥行きがあるため、相席でもOKならなんとか席は確保できそう。店員に人数を告げれば、席を指定してくれます。気づかれなければ、自分で勝手に空いてる席に座っちゃうのもアリ。
客席にカメラを向けるのが躊躇われ、遠慮しておきました。
すみません、ここからいきなりメニューです。

「特餐」と書いてあるのは、スペシャルセットの意味。これは午後用のメニューです。

上は、ベーカリーのメニュー。結構、品数があって、どれも旨そうです。
香港の代表的なパンは、菠蘿包(ボーローバウ)
ふんわりしたパンの上にクッキー地を載せて焼いたもので、訳すと【パイナップルパン】ですが、パイン風味ではなく見た目だけの問題。
必ずどの店もこの商品を中心にラインナップを組んでいます。
で、5月2日の帰国日夕方に注文したメニューがこれ。

特餐のBセットと、メキシカンカスタードパンとアイスミルクティ。
まぁ、栄養バランスも何もあったものじゃありませんが、ジャンクなものが食べたい気分。
私はコーヒー好きながら、茶餐廳ではやはり奶茶(ミルクティ)が常道。英国領だったでしょ?
パンティーストッキングで濾してみたり、お店によって色々工夫しているのが面白いです。

ミルクティに続いて運ばれてきたのが、このパン。
一見すると日本のメロンパンです。メニューではこう。

メキシカンってどんな味?

薄いクッキー生地の下には、かなり甘いカスタードクリームが惜しげもなく入っています。
私は甘いもの好きなので、全然オッケーでした。何がメキシコ風なのかは不明ですが、東京にもあればいいのに。
これがポークチョップのせインスタントラーメン
〈櫻華豬扒公仔麺〉とメニューで紹介されています。なんのこっちゃ?


そしてハムエッグとフランスパンのトースト。これは日本の喫茶店のモーニング風。

こんな雑な感じが嬉しいもんです。
そもそも日本で、出前一丁をこんなにアレンジして提供するお店があるのでしょうか? 焼きそばにしてしまう所もあるようだし、それが不思議。

会計も総額で63HK$。物価の高い香港で約900円とは、これが人気の秘密かも?

最初の訪問を振り返ると…

「佳記餐廰」に初めて来店したのは1年前くらい。
香港競馬の帰り道に突然の雨に降られて逃げ込んだのがきっかけ。だからオーダーも軽食でした。
菠蘿油とフルーツパンチ。*フルーツパンチってのがまた香港っぽい。

「菠蘿油」(ボーローヤウ)とは、菠蘿包に厚切りバターを挟んだやつ。

パンが温かいので、程良くバターが溶けてきて絶妙に美味いんです。

やっぱバターはあったほうがいい。
どうしてもこのお店がお薦めってことはありませんが、軽い食事に迷った際には思い出していただければ。尖沙咀以外にも何店舗かありそうです。

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